学資保険はおすすめできない?デメリットや役立つ投資方法をご紹介

学資保険 お金
  • 「学資保険って入った方がいいの?」
  • 「どうして学資保険はおすすめできないの?」
  • 「学資保険のほかにお金を増やす方法はあるの?」

このようなお悩みを解決します。

この記事の内容

  • 学資保険は返戻率が低い
  • 初心者でも経験者でも投資はするべき
  • 投資信託・積立投資がおすすめ

結論から言うと「学資保険はおすすめしません」理由は、手数料が高く、返戻率が悪いからです。

学資保険は昔から「支払った総額よりも増えた金額を受け取る」ことができたので、積立としておすすめでした。しかし、最近の学資保険は「受け取る金額よりも支払う総額が多い」タイプが多くなっています。

また、受け取る金額のほうが多い場合でも利率が5%~10%と少ない金額となっており、現状学資保険を使うメリットが減っています。

そこで今回は学資保険のデメリットと必要な人や不要な人、積立としておすすめの投資方法をご紹介します。

学資保険の仕組み

学資保険とは一言でいえば「子供の教育のための保険」です。

子供が成長するに合わせて必要となる資金をを準備する保険で、毎月決まった保険料を支払うことで進学準備資金、満期学資金等を受け取ることができます

保険の一種なので、万が一契約者(主にご両親)に不慮の怪我や病気になった場合は保険料が免除され、学資保険を継続して資金を受け取ることができます。

学資保険には「貯蓄型」と「保障型」の2つがあります。

貯蓄型 保障型
メリット 払込免除特約以外の保障を付けないため、保障型よりも返戻率が高くなる 外貨貯蓄の場合は、為替レートによって損をする
デメリット 死亡保障や医療保障をまとめて契約をしているので、契約者に何かあった場合に保障がおりる 保障が厚い分、特約を付ければつけるほど、毎月支払う金額が増え、返礼率が低い
返戻率とは

返戻率とは「払った金額」に対する「受け取る金額の割合」のことです。
100万円払い込んで受け取る金額が110万円の場合返戻率は110%です。

子供の教育に必要な金額

文部科学省が調査した「平成30年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校までにかかる費用は公立で約541万円、私立で約1,830万円かかることがわかりました。

なお、大学は「国立」「公立」「私立」に分けられており、かかる金額は医学部を除いてそれぞれ約80万円、約100万円、約150万円となります。

この金額をふまえて、少しでも足しになるような積み立てをしなくてはなりません。

そこで学資保険に入るのが良いのかみていきましょう。

学資保険がおすすめできない5つのデメリット

子供の学費を貯める目的で学資保険はおすすめできません。

その理由がこちらです。

おすすめできない理由

  • 途中で引き出せない
  • 元本割れの可能性
  • 子供が生まれてからしか加入できない
  • 物価の変動に影響される
  • 返戻率が低い

それぞれを詳しく解説します。

① 払い込んだお金を途中で引き出せない

学資保険は預貯金のように払い込んでいる積立金を自由に引き出すことができません

万が一のケガや引っ越しなど、急なお金が必要になった時でも積み立てているお金を引き出すことができず、解約する以外に方法がありません。

しかし、途中で解約をすると次に説明するように元本割れし、結果的に払い込んだお金よりも少なくなってしまいます。

元本割れする時点で定期預金よりも使い勝手が悪いです。

② 学資保険は元本割れする可能性がある

学資保険は原則として、積み立てた保険金を満期日になるまで解約することを予定していません

満期日

満期日とは、最終的に保険の期間が満了する日のことで、契約する商品によって満期日は異なります。
一般的に多いのは大学入学に合わせた「17歳・18歳」、大学卒業後の社会人に向けての「21歳・22歳」です。
商品によっては満期とは別に小中高の入学で「祝金」として定期的な支払いができることもあります。

そして、保障などの特約付きの学資保険を契約した場合、保障分は掛け捨てが基本です。

契約年数が短いほど、支払う保険金が増えるため、途中解約した場合は支払った保険料の金額よりも解約返戻金のほうが少なくなることがあります。

③ 学資保険は早くても妊娠中期から

学資保険の申し込みができるのは、基本的に子供が生まれてからです。

例外として、商品によって妊娠中期から入れる学資保険もあります。

そのため子供が生まれる前から積み立てることができず、妊娠が発覚してから学資保険を探すのが一般的なのです。

④ 物価の変動に影響される

投資や積立も同じことが言えますが、学資保険は契約時の利率で固定されている商品が多いです。固定、つまり支払っていく中で景気が変動した場合でも、利率は変わりません。

固定金利はどのくらいの金額を満額時にもらえるか計算がしやすい反面、インフレといった景気変動に対応できず、支払いが継続できなくなる可能性があります。

⑤ 返戻率が低い

学資保険に加入するのおいて、一番重要なのが返戻率(へんれいりつ)です。

学資保険をおすすめできない一番の理由は、この返戻率が昔と比べて低くなっているという点です。

返戻率とは

返礼率とは「受け取る金額÷今まで払い込んだ保険料の総額×100」です。
(例)100万円支払って、110万円受け取った場合、返戻率は110%となります。

本記事冒頭でも少し説明しましたが、様々な学資保険の返戻率を見てみると少ないところで103%、一番多くても110%です。

100%を超えればまだ元本がそのまま戻ってきますが、先ほど説明した通り、元本割れになってしまっては、貯金したほうがマシということです。

返戻率をふまえても、学資保険に加入するメリットがあまりないと僕は思います。

学資保険が必要な人、不要な人は?

それでは学資保険が必要な人はどのような人でしょうか。

学資保険が必要な人

  • 投資・資産運用が苦手な人
  • 低リスクで利益よりも積立だけしたい人

対して、学資保険が不要な人は以下の人です。

学資保険が不要な人

  • 子供がある程度大きい
  • 子供用以外にも資産を増やしたい人
  • すでに資産がある程度ある人

学資保険に代わるおすすめの投資をご紹介

学資保険で戻ってくるお金は微々たるもの。

そこでせっかくお金を増やすのであれば、学資保険ではなく、本格的な「投資」を検討しましょう

初心者でもおすすめできる投資方法は以下の2つです。

  • 投資信託
  • NISA
  • 海外積立投資

投資信託(ファンド)

投資信託とは簡単にいうと自分の資産をプロのファンドマネージャーが運用し、生まれた利益を還元してくれる投資の1つです。

投資信託の特徴

  • 少額から始めることができる
  • 運用のプロに資産を任せられる
  • 分散投資でリスクを軽減
  • 自分で株式を買う必要がない

投資信託の最大のメリットは運用をプロに任せ、定期的に投資レポートを確認することができます。

さらに詳しくは「【初心者向け】投資信託とは?ドルコスト平均法の仕組みについて図解で解説 」を読んでみてください。

NISA

「NISA」または「つみたてNISA」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

NISAとは、上場している株式の取引や投資信託の配当金(インカムゲイン)、値上がり益(キャピタルゲイン)が毎年決まった金額まで非課税になる制度です。

簡単にいうと、株で儲かっても決められた金額まで税金がかからないってことです。

つみたてNISAは投資信託の一種です。この2つの違いは以下の通りです。

投資信託 つみたてNISA
積立できる金額 開設した金融機関が定めた最低金額以上なら上限なく設定可能 年間の非課税投資枠は40万円が上限なので、1ヵ月あたりに換算すると約33,000円が上限
課税対象 売却益や分配金は課税対象 最長20年間非課税

各NISAの特徴を比較

一般NISA つみたてNISA ジュニアNISA
開設資格 日本住まいで20歳以上 同じ 0~19歳の未成年者
投資方法 スポット購入・積立 積立 スポット購入・積立
購入上限 120万円 40万円 80万円
非課税となる期間 最長5年 最長20年 最長10年
対象商品 国内株式/海外株式/投資信託 国が定めた投資信託 国内株式/海外株式/投資信託
非課税対象 対象商品にかかる配当金・分配金・売却益 同じ 同じ
口座開設期間 2023年開始分まで 2042年回分まで 2023年開始分まで
金融機関変更 毎年変更可能 同じ 不可

一般NISAと積立NISAの大きな違いは、非課税となる金額と対象商品です。

この中で、学資保険を考えていた人であれば、ジュニアNISA又はつみたてNISAがおすすめです。

ジュニアNISAは例外を除き、基本的に18歳になるまで引き出すことができないので、コツコツ貯めるのにおすすめです。

また、2024年のNISA改正に伴い、ジュニアNISAは2023年までしか開設することができないという点も注意が必要です。

» 【解説】NISAとつみたてNISAの違いとは?どっちが得なの?

海外積立投資

学資保険の代わりとして、個人的におすすめなのが、海外積立投資です。

その理由として、還元率が高い点です。

海外と聞くと、怖いと考える人もいるかと思いますが、結論「しっかり見極めれば大丈夫」。

返戻率がいい上に、元本確保が保障されているInvestors Trust(ITA)なんかは日本でも有名で、ここで積立している人は多いのではないでしょうか。僕も信頼できるFPに相談した上で、積立ている投資でもあるのでその点でも安心してもらって大丈夫です。

期間中は引き出せないので、急にお金が必要になった時は引き出せないのは学資保険と同じですが、満期を迎えた時の資産は大きく変わってくるのが大きなメリットです。

» 【海外積立投資】Investors Trust(ITA)ってどんな会社?評判は?

学資保険に関するよくある質問

ここでは、おさらいも兼ねて、学資保険に関する質問と回答をご紹介します。

  • 学資保険は途中解約できる?
  • 学資保険を始めればお金は増えるの?
  • 学資保険を始めたい場合はどの保険会社がおすすめ?

学資保険は途中解約できる?

解約自体は可能ですが、途中解約の場合は元本割れする可能性が高くなります。

満期日まで払い込みが難しい場合は学資保険の利用はおすすめできません。

学資保険を始めればお金は増えるの?

学資保険の返戻率は期間を通して概ね103%~110%で推移しています。

より多く資産を増やすなら海外積立やNISA等の活用も検討してみましょう。

【まとめ】学資保険はおすすめできない

最後に、この記事の重要な3点をまとめます。

  • 学資保険はおすすめできない
  • 投資信託やNISAもうまく活用しよう
  • 個人的には海外積立がおすすめ!

学資保険は昔であれば、ある程度返戻率もよく、子供のためにおすすめの保険でした。

しかし、近年の返戻率をみると、学資保険に加入するよりも、投資で増やすほうがリターンは大きいです。

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