円安時の投資はチャンス?おすすめの投資先や円安でやってはいけないことをご紹介!

円安時投資の注意点 お金
  • 「急激な円安になったけど、投資タイミングとしてどうなの?」
  • 「円安時に注意することとは?」

このようなお悩みを解決します。

この記事の内容

  • 2022年10月現在は、32年ぶりの水準まで円安が進行した
  • 円安は輸出企業にとってメリットが大きい
  • 全ての資産をドルに変えるなど、極端な行動には注意

2022年に入り、為替相場は大きく変動しています。

1月~10月の時点で1ドル=115円から32年ぶりに1ドル=150円台まで円安が進行しました。

円安がここまで進行すると「このまま投資を続けた方が良いの?」「すべての円資産をドル資産に変えようかな」と考える方もいるはず。

この記事では、円安時に投資する上でおすすめの投資先と注意点について分かりやすく解説します。

円安になった経緯

2020年に発生したコロナショック時に、米国は経済支援策である金融緩和政策とゼロ金利政策を行いました。

その結果、米国経済はいち早く回復し、2020年と2021年は主要指数であるS&P500などが何度も最高値を更新しました。

ただ、米国ではインフレが深刻化し、2022年5月のFOMC(連邦公開市場委員会)では0.5%、6月・7月は0.75%の利上げをすると発表し、「9月にもう一度、異例の大幅利上げが適切」とも発言しています。

また、8月25~27日に開かれたジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長がインフレを抑えるために利上げを継続することを明らかにしました。

8月31日には他のFRB高官から利上げを続けることが分かり、米国の金利が上昇し、さらなる円安ドル高に弾みをつけているのです。

通常は0.25%の利上げをしていることを考えると、今回のインフレの深刻さが分かります。

一方で日本は金融緩和政策を続ける方針で、利上げをする見通しは立っていません。

結果、少しでも利息が付く米ドルの人気が高まり、今回のドル高円安を招いた一つの要因となっているのです。

円安のメリット

ここでは円安になるメリットを見ていきましょう。

円安メリット

  • 個人…米ドル資産など海外資産が値上がりし、評価損益が上がる
  • 企業…海外で日本製品が売れやすくなり輸出産業の利益増加、観光客増も見込める

2022年に入って米株市場は大きく下落しています。

s&p500

最高値から20%以上下落すると、弱気相場入りすると言われています。

今年1月3日の過去最高値4,796ドルからの下落率が20%に達し、S&P500は弱気相場に入りました。

とはいえ、この期間に同時に円安が進行しているので、日本の投資家からするとそこまで大きなマイナスにはなっていないでしょう。これが個人投資家における、円安の大きなメリットです。

また、外国人からすれば、日本製品が安く買えるようになります。すると、自動車などの輸出製品が売れて輸出産業が活発になったり、日本への観光客が増えサービス産業が活発になったりします。

円安のデメリット

続いて円安のデメリットについて確認しておきましょう。

円安デメリット

  • 個人…輸入商品が高くなってエネルギー資源が値上がりする
  • 企業…輸入コストが高くなって輸入産業の利益が減る

日本では多くの食料やエネルギーを輸入に頼っているので、円安になると値上げのリスクがあります。賃金は変わらないのに出費が増えるので、家計が圧迫されてしまうのです。

今回の円安でかなりモノが値上げされているよね。企業としても輸入コストが高くなるため、特に輸入産業の利益が減る傾向にあります。

円安時の投資をチャンスに変えるには?

ここからは、円安時の今だからこそできる投資チャンスについてご紹介します。

  • 割安な日本株に投資する
  • 輸出関連企業やインバウンド関連企業に投資する

以下で詳しく解説します。

①割安な日本株に投資する

軟調な米国株市場につられて、日本株も上昇できない状態が続いています。

中には、財務に問題なく業績も好調な高配当株が割安水準にあることも少なくありません。

また、海外投資家からすると日本円が安い状況なので、日本株に投資しやすい環境が整っています。

そのため、我々日本人も割安な高配当株に投資しておくことで、キャピタルゲイン(値上がり益)とインカムゲイン(配当金)を受け取れる可能性が高まりますよ。

②輸出関連企業やインバウンド関連企業に投資する

円安が進むことで輸出関連企業の業績が上がります

決算時の予想為替レートをドル円=110円~120円と設定している企業が多く、仮にこのままドル円=135円で決算を迎えたとすると、10%~20%程度の利益上昇が期待できます。

またコロナが落ち着いてくると、海外からの観光客は増えるでしょう。

2020年と2021年に落ち込んだインバウンド関連企業に投資しておくことで、経済が正常化したときに大きな利益を狙えるのです。

円安時に投資する際の注意点2つ

円安時に投資する際の注意点についてご紹介します。

  • すべての資産をドルに変える
  • 米株の長期積立投資をやめる

順に解説します。

①すべての資産をドルに変える

この円安下で、円だけを保有するのではなく、ドルなど海外の資産を保有した方が良いと感じている方もいると思います。

ただし、これから先もドル高円安が続くと予想して、全ての資産をドルに変えることはやめましょう。

仮に予想が外れて円高になってしまった場合、資産が目減りしてしまうためです。

為替の動きを読むことはできず、プロであっても完全に未来を読むことはできません。

そのため、すべての資産をドルに変えるのではなく、円とドルを半分半分で保有するなどバランスよく資産を配分しましょう。

②米国株の長期積立投資をやめる

ここ数年の米国株式の好調を背景に、つみたてNISAなどを利用してS&P500などの指数に連動する投資信託に投資している方は増えました。

ただ、2022年に入って米国株式市場は20%を超える下落、また円安ということもあって、「今投資するのではなく、株式がもっと下落して円高になったタイミングで投資しよう」と考えている方もいるはず。

結論から言うと、その理由で米国株の長期積立投資をやめることは避けましょう。なぜなら、積立投資はそのようなリスクも背負った上での投資手法であるためです。

株安と円高の絶好のタイミングを素人が見極めるのはほとんど不可能です。

とはいえ、積立投資をしていればそのタイミングを見計らうことなく、時間リスクを分散できます。

したがって、為替の変動は気にすることなく、長期的に右肩上がりになる資産への積立投資は続けましょう

現在の荒れた値動きが気になるのはわかりますが、長期間、淡々と積み立てることで、複利効果の恩恵を受けて大きな資産を築きやすくなりますよ。

円安時の投資に関するよくある質問

ここからは円安時の投資に関するよくある質問についてお答えします。

質問

  • 円安になると投資信託はどうなりますか?
  • 円安時にドルを買っても大丈夫ですか?
  • 株式投資では円安と円高どっちが有利ですか?

以下で詳しく解説します。

Q1:円安になると投資信託はどうなりますか?

保有している投資信託の中身によって異なります。

たとえば米国株であるS&P500に連動する投資信託に投資している場合、実質的に米ドルの資産を保有していることになるため、投資信託の評価益も上昇します。

基準価格が米ドルに連動する投資信託には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」があります。

それぞれの違いは以下の通り。

特徴 メリット デメリット
為替ヘッジあり 為替の影響を度外視する 円高による損失を避けられる ヘッジコストがかかる
円安による利益を得られない
為替ヘッジなし 為替の影響を受ける 円安による利益を受けられる 円高により損失を出してしまう

海外の資産を持ちたいのであれば、為替ヘッジなしを選択する必要があります。

Q2:円安時にドルを買っても大丈夫ですか?

今後、円高になるか円安になるかは予想できません。そのため、円安時にドルを買っても利益を出せるかどうかは分かりません。

とはいえ、円安に振れたときに輸入品が高騰するリスクを軽減するために、ドルを購入するのは良いでしょう。

円とドルを半分ずつ持っておくぐらいの気持ちでいると、円安でも円高でも対応できますよ。

Q3:株式投資では円安と円高どっちが有利ですか?

円安と円高だと、円安が有利だと言われています。

日本はトヨタをはじめとした輸出企業が中心であり、為替による利益を伸ばせる企業が増えるためです。

また、海外投資家も割安だと判断すると投資が増えると予想できるため、株価も上昇しやすくなります。

【まとめ】円安時の投資はチャンス?

円安に関する基本情報から、おすすめの投資先や注意点などを解説してきました。

最後に、この記事の重要なポイントを3つにまとめます。

  • 2022年10月現在は、32年ぶりの水準まで円安が進行した
  • 円安は輸出企業にとってメリットが大きい
  • 全ての資産をドルに変えるなど、極端な行動には注意

32年ぶりの円安で1ドル=150円を付けたことで、今後の投資戦略について悩んでいる方もいると思いますが、米株の積立投資は淡々と続けるべきです。

また、日本の高配当株で割安な銘柄があれば投資してみるのも良いでしょう。

この記事を読んで「投資を始めておこう!」「米ドルの資産を持ちたい!」と思った方は、証券会社の口座開設から始めましょう!

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