【ETF】SPXLとは?株価やチャート推移、構成銘柄などを分かりやすく解説

SPXLとは お金
  • 「SPXLってどんな特徴があるの?」
  • 「今買っても大丈夫かな?」

このようなお悩みを解決します。

この記事の内容

  • SPXLは米国のレバレッジ型ETFのひとつ
  • S&P500指数の3倍の日次投資成果を目指している
  • 長期的に見ると右肩上がりに推移している

SPXLは、Direxion Investmentsが運用するレバレッジ型ETFで、つみたてNISAでも人気の「S&P500指数」の3倍の値動きを目指しています。

SPXLは株価が右肩上がりに伸びていますが、投資対象としておススメなのでしょうか?

この記事では、SPXLに投資するうえで知っておきたい特徴やこれまでの株価推移、構成銘柄などを解説します。

SPXLとは

SPXLはS&P500指数の日々の値動きの3倍を目指すレバレッジ型の米国ETFで、正式名称は「Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF」。

SPXLの概要は以下の通りです。

名称 Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF
運用会社 Direxion Investments
市場 NYSE ARCA
ベンチマーク S&P500
経費率 0.95%
基準価額 133.94 USD
純資産額 34,890億 USD

SPXLを運用しているのは、レバレッジETFで人気のある「Direxion Investments」社です。

SPXLのほかにもSOXL(ICE半導体指数の3倍レバレッジETF)やTECL(ハイテクセクターの3倍レバレッジETF)など各種レバレッジETFを展開しています。

現在のSPXLの株価は約134ドルであり、米国株は1株から投資できるため約15,000円あればSPXLに投資できます。

ETFとは

そもそもETFってどんなものだったっけ?

ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略称であり、日本語では上場投資信託と言います。

ETF自体が数多くの銘柄(企業)を含んでいるため、1つのETFに投資しても複数の銘柄に投資した場合と同じ分散効果が得られます。

ETFと投資信託の違いは以下の通りです。

  ETF 一般的な投資信託
上場 ×
価格 リアルタイムで変動する 1日1回の基準価格
取引機会 取引所の取引時間内 1日1回

S&P500指数とは

SPXLはS&P500指数の日々の値動きの3倍を目指すレバレッジ型の米国ETFです。

ベンチマークのS&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している企業から代表的な500銘柄を時価総額で加重平均した指数です。

そのため、S&P500に連動するファンドに投資すれば、アメリカの主要企業500社へ投資しているのと同じ効果が期待できるのです。

ここ最近では若年層からの投資意欲が高まり、つみたてNISAを使ってS&P500に連動する投資信託に投資する人が増えています。

つみたてNISAについて詳しく知りたい方は「【解説】NISAとつみたてNISAの違いとは?どっちが得なの?」の記事を参考にしてください。

レバレッジとは

SPXLは、「Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF」というレバレッジ型ETFです。

レバレッジ(Leverage)とは「てこの原理」という意味ですが、投資の世界でレバレッジというと、借り入れをして自己資金を膨らませて投資をする方法のことを指します。

レバレッジを効かせることで少ない資金でも大きなリターンが狙えますが、リスクも大きくなるため、十分な資金管理が求められます。

レバレッジ取引について詳しく知りたい方は「レバレッジ取引は危険?仮想通貨や株でのメリット・デメリットを解説」の記事を参考にしてください。

レバレッジETFにはブル型とベア型があり、それぞれ以下のような特徴があります。

ブル型とベア型の違い

  • ブル(BULL・雄牛):雄牛が角を下から上に突き上げて攻撃する姿から強気・上昇の象徴
  • ベア(BEAR・熊):熊が腕を上から下に振り下ろして攻撃する姿から弱気・下落の象徴

SPXLはブル型のレバレッジETFなので、ベンチマークの「S&P500」が上昇すれば利益を出すことができるのです。

S&P500の構成銘柄

SPXLはS&P500をベンチマークに運用しています。

S&P500を構成している上位10銘柄をご紹介します。

ティカカー 企業 組入比率
AAPL アップル 6.78%
MSFT マイクロソフト 5.95%
AMZN アマゾン 3.33%
GOOGL アルファベットA 2.12%
TSLA テスラ 2.06%
GOOG アルファベットC 1.95%
FB メタ・プラットフォームズ 1.92%
NVDA エヌビディア 1.56%
BRK.B バークシャー・ハサウェイ 1.50%
UNH ユナイテッドヘルス・グループ 1.16%

GAFAMを中心として、世界を代表する企業がずらりと並んでいますね。

500社あるのに、10銘柄だけで30%近く占めていることがわかります。
これは、S&P500は500社に均等に投資する指数ではなく、時価総額加重平均を採用しているからです。

時価総額加重平均とは、時価総額が大きい銘柄には大きく投資して、時価総額が小さい銘柄には少しだけ投資する方法のことです。

つまり、時価総額が大きい大企業ほど「S&P500」にたくさん組み込まれていることになります。

SPXLの株価推移【チャート】

SPXL

引用:Trading View

すごい右肩上がりのチャートですが、SPXLがここまで大きく成長してきたのには、理由があります。

その理由を以下で解説していきますね。

米国の経済成長力が高い

SPXLはS&P500をベンチマークにしているため、S&P500の成長率が大切になります。

S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、GAFAMなど世界を代表する企業が組み入れられています。

また、2020年に発生したコロナショック時を見てもわかる通り、世界的な株安局面が来た時でも、米国経済はいち早く回復しました。

力強い企業があるうえ、米国の政策がマッチすることで米国の経済成長力が底上げされ、S&P500指数も連動して成長していったのです。

構成銘柄が常に入れ替わる

S&P500は独自の委員会で話し合いが行われ、四半期ごとに銘柄の入れ替えを行います。

2020年には電気自動車大手のテスラがS&P500に採用されて話題となりました。

なんでそんなに入れ替えが行われるかというと、時代の流れや各企業の業績、今後の見通しなどを総合的に判断し、米国の主要業種の主要企業をカバーできているか見極めているためです。

時代に合わせて構成銘柄を入れ替えることで、米国株式市場全体の時価総額比率の約8割をカバーできるよう調整されています。

SPXLの今後の見通し【予想】

2022年、米国ではコロナショック時に発動した量的緩和政策を終了させ、利上げを実施しようとしています。

これまで市場にあった潤沢なマネーが減り、利上げが行われることで成長重視のグロース株は売られやすくなる傾向があります。

SPXLのベンチマークであるS&P500はハイテク株などのグロース株が多いため、SPXLの株価も上がりにくいと考えられます。

SPXLに投資するメリット・デメリット【注意点】

SPXLに投資するのであれば、知っておきたい特徴がいくつかあります。

  1. 高いリターンが見込める
  2. 積立投資にも使える
  3. 減価リスクがある

以下で詳しく解説します。

その1:高いリターンが見込める

SPXLの最大の魅力は高いリターンが見込めることです。

先ほども紹介したように、コロナショックで株価が落ちてしまったときにSPXLを買っていれば1年程度でおよそ4倍もの株価になっていました。ただ、3倍のレバレッジをかけている分、ボラティリティ(価格の変動率)が高いことも事実です。

実際にコロナショックの際には、80ドル手前から20ドル台へと約70%の下落を経験しています。

レバレッジをかけているため、高いリターンが見込めるものの、下落幅も大きくなってしまいます

そのため、上記の変動にも耐えられるほどの余剰資金で投資するようにしましょう。

その2:積立投資にも使える

SPXLは積立投資にも活用できます。

長期での運用を前提としているのであれば、将来の値上がりが期待できるものにレバレッジをかける考え方は理にかなっているためです。

ただし、中長期的に株価が下がってしまった場合は一般の投資信託やETFよりも損失の幅は広がってしまいます。

実際、つみたてNISAではレバレッジ型ETFは高リスク商品として対象から除外されています。

そのため、SPXLなどレバレッジ型ETFへの投資はポートフォリオの10%程度にするなど、十分なリスク管理は忘れないようにしましょう。

その3:減価リスクがある

SPXLなどのレバレッジ投資には、減価リスクがあることに注意しましょう。

減価リスクについて知るために、まずは下記の表をご覧ください。

基準日 Day1(S&P500が5%上昇) Day2(S&P500が7%下落) Day3(S&P500が3%上昇)
SPXL 100 115 90.85 99.0265
VOO(S&P500に連動したETF) 100 105 97.65 100.5795

減価リスクとはこのことで、指数となるS&P500(ここではVOO)の動きが横ばいでも、SPXLは損をするケースもあるのです。

上昇局面では複利効果が効いて、大きく上昇するのがレバレッジETFの特徴です。

しかし、プラスとマイナスが交互にやってくるレンジ相場だと、SPXLは苦戦する傾向もあります。

【まとめ】SPXLとは

S&P500のレバレッジETFであるSPXLに関する情報を中心に、メリットやデメリットについて解説してきました。

最後に、本記事でもっとも重要なポイントを3つまとめます。

  • SPXLは米国のレバレッジ型ETFのひとつ
  • S&P500指数の3倍の日次投資成果を目指している
  • 長期的に見ると右肩上がりに推移している

SPXLのベンチマークであるS&P500指数に投資することで、 アメリカの主要企業500社へ投資しているのと同じ効果が期待できます。

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