- 「貯金だと利息が付かないので、他の方法でお金を増やしたい…」
- 「銀行や保険会社が販売する外貨建て保険って、本当に良い商品なの?」
このようなお悩みを解決します。
- 外貨建て保険は、保険料の支払いや解約返戻金の受け取りを外貨で行う保険のこと
- 手軽に外貨資産を保有できる
- 為替やカントリーリスクがあるので注意が必要
日本は現状、超低金利であり、メガバンクにお金を預けても0.001%と増える気配がありません。
そのため、円よりも金利の高い国の通貨を持とうとする動きもあり、中でも保険料とセットになった「外貨建て保険」が注目を集めています。
そこで今回は外貨建て保険のメリットや注意点などを解説します。
やってはいけないと言われる理由や、大損を避けるためのポイントについても解説するので、外貨建て保険に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
外貨建て保険とは?
外貨建て保険とは、保険料の支払いや解約返戻金・保険金の受取を外貨で行う保険のことを指します。
保険の種類 | 保険の内容 |
---|---|
円建て保険 | 保険料の支払いや解約返戻金の受け取りを日本円で行う保険商品 |
外貨建て保険 | 保険料の支払いや解約返戻金の受け取りを外貨で行う保険商品 |
保険の仕組みに関しては、円建て保険も外貨建て保険も大きく変わりません。
主に、米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨が取り扱われており、各通貨には特徴があります。
外貨建て保険の種類
外貨建て保険の種類としては、終身保険や養老保険、個人年金保険などがあります。
- 終身保険…死亡時や高度障害状態になったときに保険金が受け取れる商品
- 個人年金保険…老後の公的年金に上乗せするため加入する商品
- 養老保険…保険期間中に死亡したときには死亡保険金が、満期まで生存したら死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れる商品
- 外貨建て保険の場合、保険料の支払いは為替レートによって異なります。
たとえば保険料が月額100ドルの場合、1ドル=100円であれば月1万円、1ドル135円であれば月1万3,500円となるのです。(別途手数料が必要)
外貨建て保険はやめたほうがいいと言われる理由
ここからは、外貨建て保険はやめたほうがいいと言われる理由について、ご紹介します。
- 為替相場の変動により元本割れするリスクがある
- 諸費用が分かりにくい
- カントリーリスクがある
順に解説します。
①為替相場の変動により元本割れするリスクがある
外貨建て保険は、保険料の支払いや解約返戻金の受け取りは外貨で行います。
しかし、もともと外貨を保有したり使っていたりする方を除き、日本円で保険料の支払いをし、日本円で解約返戻金を受け取ることになるでしょう。
そのため、為替相場の影響をもろに受けるのです。
たとえば1ドル=130円で保険料の支払いを行い、受け取り時には1ドル=100円まで円高となっていた場合、受け取れる日本円は大きく減少します。
特に途上国は政情が不安定なため、途上国の通貨で運用する場合は注意が必要です。
②諸費用が分かりにくい
外貨建て保険には、円建て保険にはない諸費用が発生し、その中身も分かりにくいです。
保険商品によって異なりますが、以下のような費用は発生すると考えておくべきでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
保険関係費 | 保険契約の締結・維持、保障などにかかる費用 |
契約初期費用 | 支払った一時払い保険料から差し引かれ、残りの金額が運用される |
解約控除 | 契約日から一定期間内に解約した場合に控除される費用 |
通貨交換費用 | 円→外貨、外貨→円など交換した場合にかかる費用 |
それぞれの費用をきちんと確認せず契約してしまい、「思ったよりも費用が高い」と気づいた方が、外貨建て保険はやめたほうが良いと言っているのです。
③カントリーリスクがある
カントリーリスクがあることも頭に入れておきましょう。
カントリーリスクとは、投資対象国や地域で、政治・経済の変化によって証券市場や為替市場に混乱が生じた場合、そこに投資した資産の価値が変動する可能性のことをいいます。
特に新興国は、国の統治方法や国内情勢も日本とは大きく異なることがあります。
場合によっては、国の政策や方針転換などが通貨に大きく影響を与える可能性があり、損失が発生するケースもあるでしょう。
外貨建て保険を契約するのであれば、各国の政治・経済の動向についてくまなくチェックする必要があることを覚えておきましょう。
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外貨建て保険に加入するメリット
ここでは、外貨建て保険に加入するメリットについてご紹介します。
- 資産全体のリスク分散になる
- 円よりも金利の高い通貨で運用できる
- 老後の資金を貯められる
順に解説します。
①資産全体のリスク分散になる
外貨建て保険として、さまざまな通貨で資産を所有することで、特定の通貨の価値が急激に下がった場合でも、資産全体の価値は維持できます。
たとえば、2022年上半期、日本円はあらゆる通貨に対して下落していました。
輸入する商品は値上がりし、家計を圧迫されたという方も多いでしょう。
ただ、そのとき海外資産を持っている方は、相対的に円資産が値上がりしています。
つまり、外貨建て保険を保有しておくことで、円の価値が下がる「円安」時でも、資産を安定させることができ、各商品の値上がりにも対応できるのです。
例えば1ドル=100円⇒130円に円安になっても、ドルを持っていれば円換算の価値は上がるということです。
②円よりも金利の高い通貨で運用できる
日本はデフレ脱却のために、現状マイナス金利を導入しています。
マイナス金利政策とは、金融機関が日本銀行に預けている預金に対して、一部マイナス0.1%の金利を適用する政策のことです。
銀行はお金を預けて金利を支払うのであれば、企業や個人に融資した方が得だと考え、市場にお金が回るようになります。
外国の通貨にも政策金利はあり、中には日本円よりも高金利な通貨もあります。
通貨 | 政策金利 |
---|---|
米ドル | 2.50% |
豪ドル | 1.35% |
日本円 | -0.10% |
※2022年7月時点の政策金利比較(出典:外為どっとコム)
ここで紹介したのは政策金利ですが、預金金利と政策金利は連動しやすくなっています。
つまり、政策金利が高い外貨を保有しておくことで、日本円を銀行に預けるよりも資産が増えやすくなるのです。
③節税できる
外貨建て保険は保険料控除の対象となるため、節税効果が期待できます。
まずは控除額を知るために、以下の表を見てみましょう。
年間の支払い保険料等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
引用:No.1140 生命保険料控除
仮に控除額が4万円だとして、収入によって変わる所得税率が20%だとすると、4万円×20%=8,000円も安くなります。
また1回だけでなく、保険料を支払っている限りは今後もずっと節税できるので、累計すると数十万円ほど変わることもありますよ。
外貨建て保険をおすすめできる人・おすすめできない人
外貨建て保険がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。
- 投資目的の保険商品を契約したい人
- 資産を円以外の通貨に分散投資したい人
- 海外留学や移住などの予定がある人
反対に、外貨建て保険をおすすめしない人は以下の通りです。
- 為替リスクをよく理解できていない人
- 元本割れしたくない人
- 長期間の加入が難しい人
受け取る保険金が減少するのは絶対に困るという人には、外貨建て保険は向かないでしょう。
たとえば、子どもの教育資金目的に養老保険に加入する人や、老後資金は元本保証が絶対条件という人などです。
つまり、受け取る保険金の使い道が明確で、金額を減らせない人です。
そのような人は、契約時に決めた保険金を確実に受け取ることができる円建て保険が向いています!
外貨建て保険の選び方
ここからは、外貨建て保険が必要だと考えている方に向けて、外貨建て保険の選び方についてご紹介します。
- 保険料の支払方法
- 為替手数料
- 運用する通貨
順に解説します。
保険料の支払方法を確認する
外貨建て保険の支払方法は一般的に以下の4通りです。
- 一括払い
- 年払い
- 半年払い
- 月払い
上から順番に、総額の保険料や返戻率が大きくなる傾向にあります。
そのため、現時点である程度家計に余裕がある場合は、まとめて支払うのも良いでしょう。
諸費用を確認する
外貨建て保険では、為替手数料などの諸費用が発生します。
そのため、契約する前に必ず諸費用がどれくらい発生しているのか確認しましょう。
リスクの低い通貨を選ぶ
運用する通貨も非常に大切です。
というのも、外貨は為替リスクが高いためです。
仮に予定利率が5%あったとしても、受け取り時に通貨の価値が円に対して5%下落していたら、実際に受け取る金額は増えていないことになります。(手数料は除く)
先進国の通貨は比較的安定しています!
外貨建て保険について悩むなら保険相談がおすすめ
このような悩みがある方は、まずは無料の保険相談窓口でプロに相談するのがおすすめです。
FPに無料で相談できるうえ、複数の保険会社から比較して、あなたに最適な保険を提案してくれます。
外貨建て保険以外にも老後の生活費を用意する方法はある
外貨建て保険は、一般的に老後の生活費を用意する方法として利用できますが、実は他にも選択肢はあります。
例えば、iDeCoは1,000円から積立額を設定でき、運用時の利益は非課税になる私的年金です。
iDeCoに拠出する掛金は「所得控除」の対象なので、その年の所得税や翌年の住民税が安くなります。
【まとめ】外貨建て保険
外貨建て保険の基本情報を中心に、選び方のコツわかりやすく解説してきました。
最後に、本記事の重要なポイントを3つにまとめます。
- 外貨建て保険は、保険料の支払いや解約返戻金の受け取りを外貨で行う保険のこと
- 手軽に外貨資産を保有できる
- 為替やカントリーリスクがあるので注意が必要
外貨建て保険は、保障がある状態を作りながら資産全体のリスク分散ができる保険です。
ただ、諸費用が分かりにくかったり、為替相場の変動により元本割れする可能性があるなど、リスクもあります。
外貨建て保険を契約するときは、この記事で紹介したリスクがあることを再度確認し、FPに無料で相談してみましょう。