コーヒーを飲み過ぎるとはげるって本当?カフェインと髪の関係

「僕の薄毛の原因ってカフェイン?」

今回はコーヒーを飲むと薄毛になるのか?という疑問を医学的観点から解説します。

ドラッグストアで店長をしていた僕は、薬や栄養素の成分の勉強をしてきて、人より知識がある方なので、その知識をもとに解説していきます!

コーヒーは薄毛の原因になるの?

コーヒーを飲みすぎると薄毛になるのかという疑問を抱いているあなた。答えは「適量であれば問題はない」です。

適量のカフェインであれば問題なし

「◯◯を食べる(飲む)とはげる」と言われる食品や飲み物には、薄毛と関係の深い成分が含まれています。コーヒーの場合、その成分はカフェインであると考えられます。

僕はスタバが好きで頻繁にカフェイン摂取していたので、この疑問が頭によぎりました。

カフェインは亜鉛の吸収を妨げる

カフェインには、育毛をサポートする亜鉛の吸収を阻害する作用があります。

亜鉛の吸収を阻害

亜鉛は髪の細胞分裂に関わる栄養素なので、不足すると新しい毛髪が育ちにくくなります。結果として抜け毛や薄毛リスクが高まることから、「コーヒーを飲むとはげる」説が生まれたものと考えられます。

もう一つ、カフェインによる影響で注意したいのがアデノシンの阻害作用です。

アデノシンも阻害される

アデノシンは、細胞のエネルギー代謝に関わる物質です。血行促進によって発毛を促す効果があると言われており、発毛剤や育毛剤、薬用シャンプーなどにも配合されます。

育毛にいい影響を与えるアデノシンもまた、カフェインによってそのはたらきが阻害されることがわかっています。

カフェインの摂取量について、日本では具体的な目安量を定めていません。(WHOの見解では、妊婦のコーヒー摂取量は1日2〜3杯にすべきとしています)

しかし、過剰摂取で得られるメリットはほとんどないので、コーヒーの摂取量は1日数杯程度にとどめると良いです。

エナジードリンクは薄毛の原因になる?

疲労回復や栄養補給などの効果が期待できるエナジードリンクには、1本あたり80〜160mgものカフェインが含まれます。

  • エナジードリンク80〜160mg
  • コーヒー70〜90mg

コーヒー1杯(約150ml)のカフェイン量は70〜90mgなので、エナジードリンク1本でコーヒー1,2杯分のカフェイン摂取量ということ。

カフェインには亜鉛の吸収やアデノシンのはたらきを阻害する作用があるため、含有量が多いエナジードリンクもまた飲み過ぎには注意が必要です。

ポリフェノールの抗酸化作用が頭皮を健やかに保つ

コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)には、頭皮環境を健やかに保つための抗酸化作用があります。

ポリフェノール=抗酸化作用

体内で発生した活性酸素を取り除くことで、頭皮の乾燥や抜け毛を予防する効果が期待できます。

髪以外にも、脂肪燃焼を促したり血糖値の上昇を抑えたりなど、ポリフェノールには、身体にとって嬉しいはたらきがたくさんあります。

薄毛ホルモンDHTを抑制する

近年の研究では、コーヒーには男性型脱毛症(AGA)の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)のはたらきを抑える効果があるという研究結果も出てます。

これは、カフェインの利尿作用によってDHTが体外へ排出されやすくなるためです。

カフェイン→DHTの排出

カフェインがDHTを抑制すると断言するのに現時点ではエビデンスが不十分ですが、それは「コーヒーを飲むとはげる」説についても同様です。

コーヒー自体が薄毛の原因になるというよりはカフェインの「摂取量」や「飲むタイミング」次第で薄毛リスクが高まる可能性があるというくらいですかね。

抜け毛予防のために避けるべき食品・飲料

コーヒー以外で抜け毛や薄毛リスクを高めるものは次の通りです。

  • 高脂質・高カロリーなもの
  • 多量のアルコール

詳しい理由も見ていきましょう。

①高脂質・高カロリーなもの

揚げ物や糖分を多く含むものは皮脂分泌を促し、頭皮環境を悪化させます。

毛穴のつまり→抜け毛

また、カロリーの高い食べ物は血中の中性脂肪を増加させ、血行不良を招く恐れがあります。血の巡りが悪くなれば頭皮に十分な栄養が行き渡らず、結果として抜け毛が増える原因となります。

  • 甘い菓子パン
  • こってり家系ラーメン
  • コンビニの揚げ物

これらは食べる量や頻度に注意しましょう!

②多量のアルコール

アルコールを摂取すると、肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解されます。

アセトアルデヒドは毒性が高く、頭痛や吐き気、眠気といった二日酔いの症状を引き起こすものです。多量の飲酒によってアセトアルデヒドが体内に蓄積されると、亜鉛やビタミンなど髪の成長に必要な栄養素が消費されます

また、アセトアルデヒドには薄毛ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)の増加にもつながると考えられています。

このジヒドロテストステロン(DHT)がなぜ悪者なのかは、こちらの記事で解説しています。

【5αリダクターゼとは】AGAを進行させる還元酵素の役割や種類、抑制する方法まで詳しく解説するよ

薄毛が気になる場合は食生活の見直しが1番効果的

健康な髪は毎日の食事から摂取する栄養をもとに成長します。バランスの悪い食生活が続けば、髪に十分な栄養が行き渡らず抜け毛の増加につながるでしょう。

髪の主成分となるアミノ酸(タンパク質)や育毛をサポートするミネラルなど、髪にいい栄養素は積極的に取り入れたいものです。

  • タンパク質(髪の主成分)
  • ミネラル(髪の栄養素)

栄養面に不安がある方は、サプリメントを活用するのもいいかも。亜鉛やビタミンなど不足しがちな栄養を効率よく摂取し、身体の内側から育毛ケアをしてみてはいかがでしょうか。

【薄毛は食事で改善】髪の成長に効果があった健康的な「食事法」を紹介します

コーヒーは飲み過ぎに注意し栄養バランスのいい食生活を心がけよう

現在、コーヒー(カフェイン)と薄毛を証明する有力なエビデンスはありません。

薄毛の直接原因となるものではありませんが、摂取するタイミング次第では睡眠の質を低下させる可能性があります。

睡眠の質の低下は確実に薄毛を進行させます。

【薄毛は睡眠が影響する】髪の成長に効果がある健康的な「睡眠法」を紹介します

また、カフェインは育毛に必要な亜鉛の吸収を阻害することから、コーヒーの過剰摂取は控えた方がいいでしょう。

薄毛を予防し、健やかな毛髪を育てるには栄養バランスのいい食事が欠かせません。コーヒーは嗜好品ですから、食生活に影響を及ぼさないよう飲む時間や量を決めることが大切です。

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