- 「投資をしたいけど、インデックスファンドってどうなの?」
- 「商品も多くて、どれを選べばいいのか分からない…。」
このようなお悩みを解決します。
本記事の内容
- インデックスファンドは特定の株価指数との連動を目指す投資信託
- 複雑な投資知識がなくても気軽に始められる
- 投資初心者には全世界に分散投資できる商品がおすすめ
インデックスファンドとは、市場の動きを示す特定の指数と同じ値動きをするように運用される投資信託のこと。投資初心者におすすめの金融商品として人気ですが、「そもそも指数って何?」「具体的にイメージが湧かない」「何を買えばいいの?」と悩む人も多いはず。
そこで今回はインデックスファンドに関する基本情報から、投資する際におすすめの商品まで分かりやすく紹介します。
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と連動するように作られた投資信託です。そのためインデックスファンドは連動する指数が上昇すると値上がりし、下降すると値下がりします。
※債券など、株価以外に連動するインデックスもあります。
数ある投資商品の中でもコストが低く設定されており、幅広く分散投資できることから初心者に最適な投資商品とも言われます。
まずはインデックスファンドで代表的なインデックス例や、よく比較される「アクティブファンド」との違いを見ていきましょう。
代表的なインデックス(指数)
インデックスファンドが連動する株式指数には、以下のように代表的なものがあります。
投資対象 | インデックス | 銘柄構成 |
---|---|---|
日本株式 | 日経平均株価 | 東証第一部上場銘柄のうち225銘柄 |
TOPIX(トピックス) | 東証第一部上場の全銘柄 | |
海外株式 | S&P500指数 | 米国の代表的な企業500社 |
MSCIコクサイ・インデックス | 日本を除く先進国22ヵ国の上場企業 | |
日本債券 | NOMURA-BPI総合指数 | 日本の公社債(国債や社債など) |
海外債券 | シティ世界国債インデックス | 先進国の国債 |
日本REIT | 東証REIT指数 | 東証に上場する不動産投資信託の全銘柄 |
海外REIT | S&P先進国REIT指数 | 日本を除く先進国の不動産投資信託 |
コモディティ | CRB指数 | エネルギーや農産物などのコモディティ |
耳にすることも多い「日経平均」や「S&P500」をはじめ、様々なインデックスが指標となります。
同じ指数を指標とするインデックスファンドでも、会社ごとに多数存在しているので、自分に合った商品を選びましょう。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
投資信託は大きく、インデックスファンドとアクティブファンドの2種類に分けられます。
それぞれの違いを表すと以下の通り。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
運用目標 | インデックスと同じ値動きをする | インデックスを上回る運用成果を出す |
組入銘柄 | 各指数の構成銘柄 | 投資のプロが銘柄を厳選 |
コスト | 比較的低い | 比較的高い |
特徴 | 低コストで中長期的に利益を狙いやすいが、市況次第 | 短期間~中長期でも利益を狙いやすいが、構成銘柄次第 |
特に注目すべきは、インデックス型とアクティブ型で値動きが大きく変わってくる点ですね。
- 日経平均などの指数連動型
- 手数料が安い
- 投資初心者におすすめ
- 日経平均などの指数を上回るパフォーマンスを目指す
- インデックス型より手数料が高い
- インデックス型との併用がおすすめ
インデックスファンドは指数に連動し、アクティブファンドは投資のプロが積極的に利益を狙うのが最大の違いと言えます。
まずは資産運用をする目的を明確にした上で、最適なファンドを選ぶようにしましょう。
インデックスファンドが初心者におすすめの理由4選
結論から言うと、インデックスファンドは初心者にもおすすめできる金融商品だと言えます。
理由として挙げられるのが以下の4つ。
- 手数料が安い
- 値動きがわかりやすい
- 投資知識がなくても始めやすい
- 運用成績が良い
ひとつずつ見ていきましょう。
①手数料が安い
投資信託にかかる手数料は「購入時手数料」「信託報酬」等がありますが、中でも信託報酬は保有中ずっと支払う必要があるため負担大です。
しかし、インデックスファンドは指数と連動するように作られているため、下記のようなコストがかかりません。
- 銘柄の調査費用
- ファンドマネージャーへの報酬
手数料が安いため、長期投資で資産を増やしたい人にとっては嬉しいですね。
さらに金融庁の選んだ「つみたてNISA」の商品にインデックスファンドが多いことからも、資産形成に最適な商品だと言えるでしょう。
②値動きがわかりやすい
大多数のインデックスファンドは対象の指数とほぼ同様の値動きをするため、価格の変動が分かりやすいのが特徴です。
例えば日経平均やNYダウといった有名な指数なら、ニュースで毎日耳にしますよね。
これらの指数に連動するインデックスファンドに投資していれば、値動きの傾向も掴みやすいです。
③投資知識がなくても始めやすい
インデックスファンドは1つの商品を購入するだけで、手軽に分散投資をすることが可能です。
例えばS&P500指数に連動するインデックスファンドに投資すれば、アメリカの主要500企業に投資するのと同じ効果があります。
もし個別で投資する場合、多数の銘柄から今後伸びそうな銘柄を選んでいくために投資の知識や多くの時間が必要です。
インデックスファンドを利用すれば事前に複雑な投資知識がなくても、気軽に投資を始められますよ。
④運用成績が良い
インデックスファンドは実績ベースで見ると、多くのアクティブファンドよりも高い運用成績を残していると言われています。
アクティブファンドは高い成果を狙える可能性がある一方、運用成果はファンドマネージャーの能力に左右されやすいです。
そのため、指数を大きく上回るファンドもあれば大きく下回ってしまうファンドもあります。
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズによる2016年の調査でも、米国の大型株アクティブ運用ファンドは10年間で85%が指数を下回ったと明らかになりました。
初心者がインデックスを上回り続けるアクティブファンドを探すことに時間をかけるより、まずはインデックスファンドを購入した方が早期に資産形成を始められるでしょう。
インデックスファンドの選び方3選
インデックスファンドの選び方としては、主に以下の3点があります。
- 投資対象
- コストの低さ
- 純資産総額の大きさ
順に確認していきましょう。
①投資対象
インデックスファンドは投資対象となる指数によって、運用成果にも違いが出てきます。
投資初心者から人気が高い投資対象の特徴についてまとめると、以下の通りです。
- 日本株式:情報量が多い
- 外国株式:長期に渡って株価が上昇傾向
- 債券:低リスク
どの投資対象にするか迷っているのであれば、外国株式(先進国)のインデックスファンドを購入するのがおすすめです。
外国株式であれば、アメリカをはじめ世界の主要先進国に簡単に分散投資でき、経済成長に応じて資産も増えていきます。
②コストの低さ
インデックスファンドを購入する上で必要となるコストは、主に「購入手数料」と「信託報酬」です。
中でも信託報酬は同じ指数でも手数料が違う場合があるため、事前に確認する必要があります。
例えばS&P500の動きに連動するファンドを比べた場合でも、信託報酬の年率は以下のように大きく変わってくるのです。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:0.0938%程度
- iFree S&P500インデックス:0.2475%
コストは長期的に投資すると差が大きく開いていくため、同じ指数に連動するファンドを見比べた上で選んでいきましょう。
③純資産総額の大きさ
純資産総額とは、インデックスファンドの保有資産の時価の合計額を表しており、簡単に言えばインデックスファンドの規模の大きさです。
そのため純資産総額が大きいほど、投資家からの資金が集まっていて人気の高いファンドだと言えます。
もし純資産額が少なければ十分に運用が行えず、運用を途中でストップしてしまう可能性も否定できません。
インデックスファンドの強みである分散効果を最大限に得るためにも、純資産総額の大きさは確認しておきましょう。
インデックスファンドのおすすめ商品5選
数あるインデックスファンドの中でも、投資初心者から人気を集めている商品は以下の5つです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・新興国株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
どれもつみたてNISAの対象で金融庁お墨付きの商品ですが、必ず各商品の特徴やリスクは確認してから自己判断で投資をしましょう。
それでは1つずつ解説していきますね。
①eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.1144%以内 |
純資産 | 351,952百万円 |
連動指数 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国、新興国の株式に投資できるインデックスファンドです。
この商品を買うだけで世界の約50ヶ国に幅広く分散投資できることから、カントリーリスクを大きく減らして投資できます。
さらに「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」でも1位を獲得するなど、投資家からの注目も高いファンドです。
どのインデックスファンドに投資すべきか悩んでいる方には、特におすすめの商品だと言えるでしょう。
②SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
信託報酬 (税込)/年 | 0.0938%程度 |
純資産 | 399,449百万円 |
連動指数 | S&P500 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果をめざすファンドです。
この商品を購入するだけで、アメリカの主要企業500社へ投資しているのと同等の効果が期待できます。
さらに信託報酬は年0.0938%(税込)程度となっており、S&P500への連動を目指す商品の中でも最安クラスの手数料です。
日本の株価指数と比較してS&P500は高いペースで成長が続いているため、今後も注目すべきファンドと言えますよ。
③楽天・全米株式インデックス・ファンド
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.162%程度 |
純資産 | 429,183百万円 |
連動指数 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国株式市場に上場する約4,000銘柄を網羅した指数に連動するファンドです。
先ほど紹介したSBI・バンガード・S&P500とは異なり、アメリカの中小企業を含め幅広く投資できるのが特徴。
さらにバンガード社という、アメリカの大手資産運用会社が手がけるETFに投資するため、投資家からの信頼も厚いです。
手数料も銘柄のカバー率を見れば非常に安いので、コストパフォーマンスに優れたファンドと言えますよ。
④SBI・新興国株式インデックス・ファンド
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
信託報酬 (税込)/年 | 0.176%程度 |
純資産 | 12,358百万円 |
連動指数 | FTSEエマージング・インデックス |
SBI・新興国株式インデックス・ファンドは、中国やインド等の新興国に投資したい人に最適なインデックスファンドです。
新興国は今後の大きな経済成長が予測されていて、さらなる利益成長が期待されます。
指標とするFTSEエマージング・インデックスの投資対象国は、経済成長の著しい中国、台湾、インドなどです。
新興国株式インデックスファンドの中では手数料が最安クラスなので、コスト面でも魅力的なファンドと言えます。
⑤eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.154%以内 |
純資産 | 17,040百万円 |
連動指数 | 日経225マザーファンド |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は、日経平均株価に連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。この商品を購入することで、日本の代表的な企業225社に投資することができます。
海外株式と比べてリターンは低めですが、身近な企業だからこそ業績等をチェックしやすく、投資への親近感も湧くでしょう。
国内株式インデックスファンドの中でも手数料が非常に安く、購入時手数料もタダなので国内株への投資にはぴったりの商品です。
インデックスファンドの購入におすすめの証券会社3選
インデックスファンドを買うためには、購入したい商品を取り扱っている証券会社で口座開設をする必要があります。
中でもネット証券はパソコンやスマホで簡単に開設でき、取り扱い商品も多くておすすめなのが以下の2社。
- SBI証券
→インデックスファンドの取り扱い数トップクラス - 松井証券
→全銘柄購入時手数料が無料 - LINE証券
→スマホのLINEアプリから簡単に投資が出来る
どちらも初心者を含めて投資家からの人気が高いネット証券なので、順に紹介していきます。
ネット証券選びについて詳しくは、「ネット証券おすすめ10社比較ランキング!株初心者が選ぶべき証券会社とは?」もご覧ください。