- 「信用取引って危ないイメージがあるけど、実際どうなの?」
- 「信用取引に合っている人やおすすめの証券会社も知りたいな」
このようなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 信用取引とはレバレッジを活用して株式を売買する投資手法
- 相場の下落時でも利益を得られるのが魅力
- リスク許容度を考えて背伸びしすぎない運用が大切
個人投資家の中には、信用取引という言葉を耳にしたことのある人も多いでしょう。
とはいえ「仕組みが複雑そう…」「リスクが高いんでしょ?」と感じて、なかなか手を出せない人も多いはず。
結論から言うと、信用取引はリスクを把握した上で堅実に活用すれば、リターンを増やせる可能性がある投資手法です。
今回は信用取引の基本情報からリスク、さらには信用取引におすすめのネット証券まで、わかりやすく解説します。
信用取引とは?
信用取引とは、少ない投資金額から多くのお金を動かす「レバレッジ」を活用して株式を売買する投資手法です。
「ここぞ!」という投資チャンスの時に、資金不足に悩むことなく利益を狙えることから人気を集めています。
信用取引の仕組みとしては、以下の2つ。
- 信用買い(空買い)
- 信用売り(空売り)
文章だけでは分かりにくいため、図解とともに説明していきますね。
①信用買い(空買い)
信用買い(空買い)は保証金となる手元資金(又は株券)を証券会社に預け、その担保を元に株式購入の資金を借りて取引する方法です。
図解で示すと以下の通り。
担保として預けた保証金以上の株式購入資金を融資してもらうことで、多くの株式数を購入して儲けを出す仕組みです。
利益や損失が出るイメージとしては、以下のようになります。
例えば30万円を委託保証金として50万円分の株式を購入した場合、上図のように値上がりすれば30万円の利益、値下がりすれば30万円の損失(委託保証金は0円)になります。※金利や手数料は含んでいません
信用取引の返済期限は原則6ヶ月なので、購入した株式は期日までに売却して、証券会社から借りた資金を返済します。
利益や損失となるのは、売却して得られた代金から借りた資金、金利等のコストを引いた差額です。
簡単に言うと、購入した株式が6ヶ月以内に値上がりすれば儲かる仕組みってことです。
②信用売り(空売り)
信用売り(空売り)は保証金となる手元資金を証券会社に預け、その担保を元に株券を借りて取引する方法です。
図解で示すと以下の通り。
信用買いの場合は「買い→売り」の流れでしたが、信用売りの場合は「売り→買い」の流れになっているのが特徴です。
利益や損失が出るイメージとしては、以下のようになります。
投資としては珍しく、株価が下がることで利益を得る仕組みである点は見逃せません。
株価下落のタイミングを見極めて信用売りをするのがポイントですね。
CFDでも代替可能
信用取引は上記の2パターンですが、信用取引と似たものとしてCFD(差金決済)を使った投資方法もあります。
CFDとは「差金決済取引」のことで、株式など商品現物を持つことなく売買できる仕組みのことです。
株の空売りの場合は証券会社から株式を借りなければいけませんが、CFDの場合はその必要が無く、数百円から簡単に売り取引を始めることが出来ます。
日本株や米国株であればレバレッジも最大5倍までかけることができ、証拠金維持率は20%からとなっているため、信用買いや空売りの代わりに使うこともできます。
CFD取引は少額から低コストでレバレッジ取引が出来るため、信用買いや空売りに挑戦したい方にもおススメです。
信用取引を行うメリットは3つ
信用取引を行うメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 資金が少なくてもハイリターンを狙える
- 相場の下落時も利益を得られる
- 保有中の株を担保にできる
どれも信用取引ならではの魅力となっているので、一つずつ確認していきましょう。
①資金が少なくてもハイリターンを狙える
信用取引は手元資金の約3.3倍までレバレッジをかけられるため、現時点で資産が少なくても大きく稼ぐチャンスになります。
例えば100万円の手元資金を活用してA社の株を購入したところ、株価が上昇して2倍になったとしましょう。
現物取引であればレバレッジはかからず、「100万円→200万円」になれば100万円の利益が出ますよね。
一方で信用取引のレバレッジ3倍なら300万円分の株式を購入でき、「300万円→600万円」になれば利益は300万円に。
「値上がりしそうな株があるのに資金不足…」といった場合でも、効率よくハイリターンを狙えるのは最大のメリットです。
②相場の下落時も利益を得られる
信用取引の信用売り(空売り)は「株式を高く売って安く買い戻す取引」のため、相場の下落時にもリターンを得ることができます。
例えば証券会社から借り入れた株式を1株1,000円で売却し、株価下落後に1株700円で買い戻せば300円の利益です。(1,000株なら30万円)
相場下落時でも、「投資しない」という選択肢の他に「信用売り」という手段があることを覚えておけば心強いですね。
③保有中の株を担保にできる
信用取引では現金だけでなく、保有中の株式を代用有価証券として担保にできます。
株式を担保にする場合は80%相当で評価されるため、時価100万円の株を所持していたら80万円分の信用取引が可能です。
長年持っていて値上がりせずに放置していた塩漬け株がある場合は、信用取引で有効活用することができますね。
信用取引のリスクは2つ
信用取引を行うリスクとしては、以下の2つがあります。
- レバレッジで負債が残るリスク
- 追証で余計に損をするリスク
信用取引はハイリターンを狙える分ハイリスクでもあるので、しっかりとリスクを勉強しておきましょう。
①レバレッジで負債が残るリスク
信用取引はレバレッジを活用して大きなお金を動かすのが主流であるため、失敗すれば損失額も跳ね上がります。
例として自己資金100万円を現物取引と信用取引(3倍)それぞれで運用し、株価が50%値下がりした場合に残る資金を計算してみましょう。
レバレッジ倍率 | 株価が50%になった場合の損失 | 最終的に残る自己資金 |
---|---|---|
現物取引(レバレッジなし) →計100万円を運用 |
100万円×50% =50万円の損失 |
100万円−50万円 =50万円 |
信用取引(3倍) →計300万円を運用 |
300万円×50% =150万円の損失 |
100万円−150万円 =マイナス50万円(負債) |
上記のようにレバレッジをかけすぎて失敗すると、自己資金以上の損失になり、負債を背負うことになってしまいます。
初めて信用取引に挑む人は大博打をせず、小さいレバレッジから徐々に感覚を掴んでいけばリスクを最小限に抑えられます。
②追証で余計に損をするリスク
信用取引を行う場合には担保を預けますが、追加の保証金である「追証」が発生するリスクもあります。
追証が必要となるケースとしては、以下のような場合です。
- 担保にしている株が値下がりした
- 買い建てた銘柄の値下がりによる含み損が発生した
- 売り建てた銘柄の値上がりによる含み損が発生した
追証は発生した日の翌営業日または翌々営業日までに担保を差し入れる必要があり、猶予はほとんどありません。
追証を防ぐためには、委託保証金のうち現金の割合を増やしたり、レバレッジを抑えるといった工夫もしましょう。
信用取引をおすすめできる人
信用取引をおすすめできる人の特徴としては、以下の通りです。
- 株式投資の経験が一定期間ある人
- 下げ相場でも利益を出したい人
- デイトレードで稼ぎたい人
- 塩漬け株を保有している人
- レバレッジを効かせた取引がしたい人
そもそも信用取引はリスクが高いため、投資に慣れていない初心者が挑むのはおすすめしません。
ある程度株に対する知識を持っており、レバレッジを活かして短期的に利益を出したい方におすすめです。
信用取引におすすめのネット証券は3つ
信用取引を始めるなら手数料の安いネット証券を選ぶのがおすすめですが、中でも人気なのが以下の4社です。
- SBIネオトレード証券
→ネット証券でも最安水準の手数料 - 松井証券
→デイトレードの信用取引に最適な一日信用取引がある - LINE証券
→スマホで信用取引が出来る
4社とも信用取引の実績が豊富な大手証券です。
①SBIネオトレード証券
信用取引手数料 | 0円 |
---|---|
制度信用取引(買建金利) | 2.30% |
一般信用取引(買建金利) | 2.75% |
委託保証金 | 30万円以上 |
SBIネオトレード証券は1948年創業の老舗で、2021年1月に「ライブスター証券」から商号変更されました。
多くのネット証券では約定代金によって信用取引手数料が上がる一方で、SBIネオトレード証券は金額に関係なく無料です。
そのため「高額取引や回数が多くなった結果、手数料だけで損をする…」という悲劇も起こりません。
定期的に信用金利優遇キャンペーンも開催されており、金利がさらに安くなるなど利用者に嬉しいサービスが満載ですよ。
②松井証券
信用取引手数料(デイトレ時) | 0円 |
---|---|
金利(1注文あたりの約定金額100万円以上) | 年利0% |
金利(1注文あたりの約定金額100万円未満) | 年利1.8% |
委託保証金 | 30万円以上 |
松井証券は日本で初めて本格的なネット取引を導入した老舗のネット証券です。
特に注目すべきは、信用取引のデイトレードに最適な環境が整っていること。
1日に何度取引しても手数料が無料の「一日信用取引」や、瞬時に取引できる「スピード注文機能」などのサービスが特長です。
松井証券は秒単位の株価変動さえ見逃せないデイトレーダーの強い味方になってくれますよ。
松井証券の評判・口コミはどう?手数料やメリット・デメリットを調査してみた
③LINE証券
信用取引手数料 | 0円 |
---|---|
金利(買い) | 年利 2.8% |
金利(売り) | 年利0% |
貸株料 | 年利1.15% |
LINE証券は、LINE Financial株式会社(51%)と野村ホールディングス株式会社(49%)が共同で設立したスマホ向け証券会社です。
特に注目すべきは、いつものLINEアプリで信用取引が出来ること。
信用取引となるとハードルが高く感じてしまいますが、LINE証券であれば少額から気軽に始められますね。
【口コミ】LINE証券をやってみた評判は?特徴やおすすめ度を初心者向けに解説!
【まとめ】信用取引とは?
信用取引のメリットやリスクなど、幅広く解説してきました。
最後に、本記事の重要なポイントを3つにまとめます。
- 信用取引とはレバレッジを活用して株式を売買する投資手法
- 相場の下落時でも利益を得られるのが魅力
- リスク許容度を考えて背伸びしすぎない運用が大切
信用取引はリスクの高い中上級者向けの投資ですが、効果的に活用すればガツンと利益を出せる可能性も秘めています。
SBIネオトレード証券や松井証券なら信用取引の手数料も格安なので、株式投資に慣れた方は検討してみましょう。